「いったい、パントマイムが仕事ってありなの〜?」

カンジヤマ・マイムA君による僕自身の歴史

さて、ここからはカンジヤマ・マイムA君がいかにして
このパントマイムを仕事とするようになったのかを見てゆきましょう。
その前に、みなさんは「職人」とか「職人芸」という言葉をきいたことあると思うんだ。
僕(A君)の父親は職人でした。僕は畳屋さんの息子 でした。
それも江戸時代から続いていた代々の畳屋の長男でした。

父親で6代目、だから長男の僕は
7代目を当然継ぐ息子として期待され
ていました。

父親は5人くらいの職人さんを使いながらお店をやっていましたが、
実はその父親もこの家に養子として入ってきたのです。
5代目、つまり僕のおじいちゃんには子どもが娘、
つまり女の子だけ3人姉妹で男の子がいなかった。
それで、長女だった僕の母親が家業を継ぐために、
父親を養子にもらって伊藤姓だった父が藤倉という名前を継いだわけ。

みなさんは知らないだろうが、江戸時代から明治にかけて、
日本はもっと厳しい世襲制度 というのがあり、
父親はその家の長男にかならず受け継がせる
という習慣があったんだってさ

それは3つのもの、家業(つまり家の仕事)、家名(家の名前)、そして家禄(家の財産)。この3つを継げるのは男の子、しかも長男のみ。弟たちはどこか外へ働きにでる。そして女の子も嫁に行く。こういう社会だったらしいのだ。すごいね~。

まあ、A君の昭和時代にもところどころこういうしきたりが強く残っており、
僕の母親は、つまり長女だったために、
妹たちはいつかお嫁に行く予定で女学校へも行かせてもらえたのに、
自分には親が「女性が女学校などいったら職人さんが婿にきてくれなくなる」といって
家を継ぐために
学校へは行かせてもらえなかったのだ!!

尋常、高等小学校という昔の小学校をでただけ。
本当は妹たちみたいに女学校へ行って勉強したかったのに、だよ。
母親には常にそのコンプレックスが付きまとっており、
大好きな勉強をしたくて悔しかったらしいんだ。

ところで、キミたちは職人という言葉にどんなイメージを持つかな?
「さすが職人芸」、「職人の神業だね!」
などなど最近ではものすごい技をもった人達のことや、
すごい技術の人などを称賛してこんなこと言うよね?
でもね、実際に職人さんの家に育った僕にはこれは実は
嘘のイメージなんだよ!
実はこれら称賛の職人は一部、
ほんの一部の人間国宝級の職人を美化した言葉なんだよね。

正直にいって僕の職人という言葉の印象は
「下職」とか呼ばれるように搾取される対象でもある。という事実。
いつも人から見下げられ、乱暴な言葉使いで話しかけられ、
そして「畳屋のせがれ」「跡取り息子」と言われるのが恥ずかしかった。
いつもほこりだらけ、わらだらけで古い作業着で働く父親が恥ずかしかった。

という事実がある(もちろん今は僕は父親にとても感謝しているし、尊敬もしているが、子供のころはそうだった)。

そして周りの態度もそう。
よく友人たちが受験のために様々な課外活動をやめたり、休むことがあっても、
お前は職人になるんだから学問はいらないと先生や周りの大人に言われた屈辱。
母親も同じ。

さて、そこでだ。
昨年A君はある出版社にインタビューされて、そのインタビューの内容が本になったので、その内容をここに紹介するので読んでほしい。
一体どのような経過で A君はパントマイムに出会い
パントマイムをする決断に至り、
そしてどんな苦労をしたのか
をのぞいてみよう。
そして何か疑問に思ったり、その他聞きたいことがあれば公演当日の終演後に直接A君に質問をぶつけてみようよ。
東洋経済

どうでしたか?
パントマイムを仕事にした人間がどのような軌跡をたどったのか見てきましたが、これは1つのケースであり、ほかにも様々なプロセスがあるでしょう。
本番の後に、カンジヤマ・マイムの他のメンバーにもいろいろ聞いてみましょうね。

もう1つ、ここでみなさんに覚えておいてもらいたいこと。
それは 好きなことを見つけたら、それをどんな方向に「応用」できるか
と考えることも非常に大切だということです。つまり、A君のマイム1つにとっても、単に舞台でそのマイムをやって見せるだけじゃない。
そのマイムを応用して、例えば学校の先生にもなれるし(実際にA君は今もいくつかの大学でも先生としても活躍しています)、それを応用していろんな科目を教える工夫もできる。

A君は「動けば英語が身に染みる」という本を出しており、このマイムの動きを利用して基礎の英語を身に着ける方法を紹介しています。他にもさまざまに教育やその他の活動にマイムを応用して生かしてゆく道もあるのです。

キミたちが何か
楽しい大好きなことを見つけたときに、
その好きなものを「武器」にして
どんな道が開けるのかを考えるのも楽しいぜ!!

事前授業最終セッション

振り返り

今まで見たこと読んだことなどを、
他の入り口を体験した人にわかるように説明してみよう。
お互いの経験を分かち合いながら、
その共通点、あるいは共感できること、疑問などなどを
話し合ってみよう。

さて、3種類の入り口から入って今まで様々な疑似体験をした生徒さんの仲間で、
それぞれの入り口から入った体験を分かち合って話し合ってみよう。
どんなことが書かれていた(あるいは見られたか)を紹介し、
その内容を話し合ってみましょう。

ここからは事前学習授業内にディスカッションタイム
それぞれの問いに対する答えを利用して、
他のチームに自分の入口の体験を分かち合ってディスカッションしてください。
他のチームの発表で面白いと思ったことなどはさらに深く質問してみよう。

公演後の振り返り

なんでパントマイムなの?そもそも、それって何?
まずはここから始まった!だからここから始めよう!

  • 理屈派のキミのための「パントマイムこだわりグループ」
  • 感性派のキミのための「劇的、ドラマチックエントランス」
  • ゴシップ派のキミのための「一見変わった仕事探索グループ」